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《アナ・ガブリエル(リリース年度?) 『ハンブラメ・デ・フレンテ』》
20年ほど前、有線から拾った。とんでもなくひしゃげたハスキーボイスが心臓をぶん殴ってきた。
爆発的な歌唱方法。しかも生来的に哀切な表現が身についていた。国内では手に入れることができず、本国に注文して入手した。
ジャケットを見ると、声からは想像できないウルトラ美人だった。
私はミルドレッド・ベイリーのような肥満体型を想像していた。
メキシコ出身のバラータ歌手。ラテン系ポップとも称されるが、ピンとこない。
アメリカ大陸系バラードなら納得がいく。PCで調べて本年60歳とわかった。
私が聴いたのは40歳ぐらいのときの声なのだろうが、信じられない声量だった。
中村あゆみをアムプリファイして、さらに潰した声。
私は、変哲のない澄んだ声よりも、ティミ・ユーロ、ジャニス・ジョプリン、ミルバ、といった絶叫型、
あるいはブレンダ・リー、コニー・フランシス、ダスティ・スプリングフィールド、コニー・スティーブンスといった
泣き節の歌手が大いに好みだけれども、アナ・ガブリエルは別格の範疇に属する。
歌唱方法やメロディではなく、声質そのものが好きなのである。
彼女のCDを十枚ほど聴いたが、『ルナ』以外に佳品はなく、この曲にとどめを刺す。