kawatabungaku.com 川田文学.com |
ブレンダ・リー(1957) 『アイ・ウォント・トゥ・ビー・ウォンティッド』》
約束の十曲目になった。やはり枚挙できないほど多いとわかった。
これからもときどき、流謫時代の愛聴歌を採り上げるしかない。
日本人女性よりも小柄なブレンダ・リーは、そのダイナマイト唱法のゆえに、歌う曲のほとんどが名曲になってしまうが、中でもこの曲と、『ジョニー・ワン・タイム』を挙げておく。後者のほうはコンピューターでは拾えないと思う。
彼女ほどヒットチャートの上位に登場せずに、名曲を腐るほど抱えている歌手もめずらしい。だから、LPから宝物がザックザック出てくる。
人は名曲を嫌うという私の理屈に合っている。中学時代に、ディスクジョッキー高崎一郎は彼女の名前を一度も口にのぼせなかった。
私の中でブレンダ・リーは、人が敬遠しながらもその曲だけは歴史に留めようとする不思議な歌手に分類されている。洋楽界の、とりわけアメリカのポップス界のふところの深さを思い知らされる。