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《エディ・ホッジス(1961) 『恋の売り込み』》

 

 私の明るい青春そのものに収斂する曲。だから野辺地ではあまり聴かなかった。ノックとベルの音で始まるあまりにも明朗な曲。この一曲に、中学二年までの晴れ上がった青春が凝縮されている。むろん思い出すのは、野球と、クマさんの笑顔である。

 レコードを買わずに、ラジオから録音したリールテープだけを長年聴いてきたので、エディ・ホッジスが14歳の少年だと知ったのは、つい最近のことである。つまり、少し低音の女の子だと思っていた。女の声と聞きまちがうという点では、川上大輔と似ているが、彼ほど澄みわたった声ではない。私好みの渋い声である(なお川上大輔は『あなたのすべてを』が絶佳)。とにかく、少年・青年が一生に一度は必聴すべき曲である。60年代に青春を謳歌した年配者には、落涙もののノスタルジーだろう。









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