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《ゲイル・ガーネット(1964) 『太陽に歌って』》
野辺地流謫時代に聴いた曲を思い切って処理してしまいたい。つまり、15歳の冬、あの寒い孤独な部屋で何度も聴いた曲の群れだ。10曲ほど連続して書いてみよう。私自身がソフトを持たないせいで、記憶を探っていく形になるので、このコーナーの読者にとってはコンピューターで拾えない曲がマレに出てくると思うが、なんとか捜し当て、鑑賞せむと奮闘してもらいたいと思う。アップの方法がわかったら、追々作成者に載せてもらうことにする。
まずこの曲からいこう。短い前奏のすばらしさ、さりげないサビの効いた低音。ここぞと歌い上げることのない、大人の雰囲気。
「あなたに朝は歌ってあげるし、夜にはキスもするけど、恋はしないわ、だから私にこだわらないで、私は一年したら去っていくから」
という、残酷な歌詞が15歳の感傷的な目に涙をあふれさせた。
森山加代子に顔もアゴのほくろの位置も似た美人のゲイルは(野添ひとみにも似ている)、翌年この曲でグラミー賞を受けた。この情報は50年後の、つい先日得た。やはり注目を受けた曲だったと知ってうれしい。