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《ジャイアント・ピーチ(1996)》
監督 ヘンリー・セリック 出演 ポール・テリー
実写、CG、アニメーションを取り混ぜた漫画映画である。
両親の死後、後見人のオバたちの悪意と労働にまみれて暮らす9歳の少年ジェームズが、大きな桃に乗って大都会を目指すという物語。両親は犀(サイ)に食われて死んだが、この設定はかなり考えたがわからなかった。悪魔の象徴であり、怒りの象徴でもあるユニコーンを原型としているにちがいない、とまでは思いついたが、ユニコーンは不浄を嫌うとされているので、両親を食う理由がわからなかった。突如襲ってきた不幸と結論するに留めた。
大都会へいくことは彼と両親の夢だった。同伴者は、桃を糧にしている個性的な虫たち。蜘蛛、みみず、ムカデ、てんとう虫……それぞれがきちんと口を利く。歌も歌う。耳を傾けているだけで、やさしい気持ちになる。
愛は夢、愛こそすべて、それがメッセージだった。
何度見ても、心が慰められる。