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《カルメン・マキ(1971)さよならだけが人生ならば》
推奨しても見つからず、せっかく見つかっても消去される。名曲は一部の好事家の耳にしか入らない運命にある。この作業が空しくなってきたが、つづけるしかない。人の耳を潤す名曲に対して申しわけがないからだ。
早稲田時代から聴きつづけてきた名曲。巷に流布している同名の曲とはまったくメロディがちがう。もう一曲、『だいせんじがけだらなよさ』という名品もある。逆から読めば、さよならだけが人生だ。
淫靡なリリシズムというのか、カルメンの声には、人をささやかな希望を抱いた孤独に陥らせる響きがある。寺山修司が彼女に詞を送った理由がよくわかる。
近年、六十歳を過ぎたカルメンは、『時計を止めて』という佳曲を歌っている。