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《トミー・ボーイ(1995)》
監督 ピーター・シーガル
主演 クリス・ファーレイ デヴィッド・スペード
ピーター・セラーズの『パーティ』に次ぐ喜劇の大傑作。ストーリーはシンプル。デキの悪い息子が、父の死後、会社の再建のために奔走する。それだけ。ダメ男の一念発起による大成功というベタな設定。肝心なのは、喜劇役者の先天的なユーモア、好感の持てる異相、演技力に基づく自然な立ち回り、かけ合いのセンス。そういうもので単純なプロットに質量を持たせること。
クリス・ファーレイ。筋肉質のデブ。高校時代はフットボール選手だった。この天才喜劇役者は33歳のとき、薬物の過剰摂取で死んだ。トミー・ボーイ撮影の2年後だった。映画の中で絶妙なかけ合いをしたデヴィッド・スペードはファーレイの親友である。彼はファーレイの死を信ずることができず、葬儀に出なかった。
ちなみに、ファーレイの敬愛したジョン・ベルーシ(『ブルース・ブラザース』)も、33歳で薬物中毒死している。