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《山崎ハコ(1995) 私が生まれた日》
20年前の凄絶な名曲。中年の山崎ハコ以外ではだめ。歌詞は聴かないこと。音痴にも聞こえるパワフルなしゃがれ声!とにかく一聴を乞う。1975年当時、私の友人横山義範がデビューしたての彼女に入れこんでいた。顔も歌声も知らなかった。いまも顔は知らず、このたった一曲の38歳の歌声しか知らない。有線から拾ってテープに編集した。
狂信者が多いと聞く。わかる。人間にとって最も重要な悲しみと、自分を生かしめている人への感謝が彼女の喉を絞っているからだ。そして、命懸けで歌っているからだ。絶賛したい。しかし、この曲にめぐり会った以上は、ほかの曲は聴きたくない。聴くのが怖い。この曲に比べれば駄作に決まっているから。駄作の時代を聴かなくてよかった。