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《ヤング・フランケンシュタイン(1974)》
監督 メル・ブルックス 出演 ジーン・ワイルダー
映画を再認識するという意味で見そめた快作。
早稲田時代にテアトル新宿で観た。その後も家庭ビデオで何度も観た。いまもってストーリーがつかめない、そしてそんなものなどどうでもいい愉快な映画。夢のチョコレート工場(1971)をまだ観ていなかったころに、ジーン・ワイルダーという天性の喜劇俳優を遅ればせながら知った自分としては、記念すべき映画でもある。
私の笑いの急所は、
@ 大学講師フレデリックが、私の名はフランケンシュタインではない、フロンコンスティンだ、と訂正し、医学生の前で白分の太腿をメスで突き刺すところ
A トランシルバニア城に到着し、ブルッハー! と老家政婦の名を呼ぶと、そのたびに馬がいななくところ
B 斜視のせむし男アイゴール(マーティ・フェルドマン)の瘤の自在な移動
C フロンコンスティンの恋人エリザベス(マデリン・カーン)がフランケンシュタイン(ピーター・ボイル)に抱かれたとき、初めて知ったこの世の歓びィィィ! とソプラノで謳い上げるところ
D ケンプ警部(ケネス・マース)の義手の敬礼とすっぽ抜け
E フランケンシュタインが彷徨して入りこんだ家で、盲人(ジーン・ハックマン)に振舞われたコーヒーが熱すぎて唇をやけどする仕草
チャプリン映画の常套のように、この映画もかわいらしい女優を一人配していて、コメディの中に微笑ましさを添えている。トランシルバニア城の小間使いインガ役のテリー・ガーである。彼女は以前に紹介した『オー!ゴッド』のほか、ダスティン・ホフマンの『トッツィー』などにも出演しているほんとうに愛くるしい女優である。