kawatabungaku.com
川田文学.com 


《ダニー・ウィリアムズ(1964) 『ホワイト・オン・ホワイト』》

 彼の曲はこの一曲しか知らない。彼の歌手としてのその後も知らない。
 島流し直後の一時期、この曲ばかりをかけていた。

 速いリズムに乗ったハスキーな明るい声で、最愛の女と連れ添う喜びを歌う。メロディの展開がなんとも言えず絶妙で、神経をくすぐりつづける。

 喜びの歌なのに、なぜか哀調を帯びている。スタンザが進むにつれてわかってくる。
「彼女のそばに寄り添って、頭の中で『はい、誓います』と言う。オルガンが始まれば、彼女は他人のものとなるから」


え? なんだ、それは。
 
 この男は、彼女のそばで、彼女が他人のものとなるのを目撃しているのか! なんだ、なんだ。
で、もう一度聴くことになる。

 野辺地中学校で最初にできた友人のガマに貸してやって、それっきりになった。
 大学時代以降の古レコード屋回りでも手に入らず、いまでは頭の中の記憶のレコードをかけるしかない。

 鮮明に甦ってくる。底抜けに明るい歌詞で始まるのだ。


ホワイト オン ホワイト レイス オン サートゥン
ブルー ベルベット リボンズ オン ハー ブーケイ
ホワイト オン ホワイト レイス オン サートゥン
マイ リトル エンジェル イズ ゲティング マリード トゥデイ





戻る