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因幡晃(1976) 別涙(わかれ)》

 高円寺でリアルタイムで発見し、テープ、EP盤、LPと買い替えていって、今日まで愛聴しつづけている歌。
 秋田県の鉱山で生まれ、鉱山で育ち、鉱山技師として花岡鉱山に就職した。
 さまざまな噂がある。鉱山事故で顔にやけどを負った(唇の下が引き攣っている)、盲目である(サングラスをかけている)、楽譜が読めないので坑道内でギター一本で作曲した。真偽のほどは不明だが、前の二つはどうでもいい。三番目の噂に興味を引かれた。頭の中だけであの曲想ゆたかな『別涙』を作曲したとすると、超ド級の天才であろうと思ったのだ。いずれにせよ、この曲は超ド級の名作である。男が泣いて唄っている。それがわかる。