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《ナーダ(1971) 『恋のジプシー』》

 苦しげなかすれ声。ゲイル・ガーネットよりも少し高音。
 第21回サンレモ音楽祭の優勝曲だ。

 1960年代前半のカンツォーネは傑作にあふれているが、60年代後半から70年代まではこれ一曲のみ。80年代以降となると、聴くべきものは一曲もない。

 早稲田時代にこの曲をラジオで聴いて魂消(たまげ)た。
 苦しげなしゃがれ声が、どこまでも高く昇っていくのだ。同じ曲を歌っているニコラディバリとは、曲想もオーケストレイションもまったくちがう。もちろんナーダに軍配が上がる。歌詞の意味はまったくわからないのに、胸が悲しみで痺れてくる。ナーダの人となりと消息についていろいろ情報を求めたが、まったく入手できなかった。たぶん、近況を探り当ててほかの曲を聴いたら、幻滅するにちがいない。









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