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《オリビア・ニュートンジョン(1978) Hopelessly Devoted To You》

 ジョン・トラボルタ主演の傑作ミュージカル映画『グリース』の挿入歌。邦題は『愛すれど悲し』。むろんオリビアの最高傑作。この曲はアカデミー歌曲賞にノミネートされた。受賞を逃したのが疑問だ。
 音質やヴォーカルの美しさを志向するオーディオ・オリエンティド・ロック(AOR)の極みとも言える完璧なメロディライン、曲想、歌唱。惜しむらくは、エンディング。もう一度、絶叫調のサビを歌い上げてくれれば、私の耳には申し分がなかった。その後彼女は、アップテンポなディスコ調のロックへと移行していってしまった。『ユア・オンリー・ロンリー』のJ・Dサウザーや『素直になれなくて』のシカゴによって完成の域にまで高められたAORの中でも、際立った傑作を残して。
 このほのぼのとした不良映画にはもう一曲、一度聴いたら忘れられない名曲が挿入されている。高音の悪声トラボルタが切々と歌う『サンディ』だ。ダンスの達人トラボルタの名曲は、生涯にこれ一曲である。一聴あれ。