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《ポール・アンカ(1959) 『あなたの肩に頬うめて』》

50年代末から60年代初期にかけての曲は、カンカンカン、カンカンカン、とリズムを取るための鉦の音が入ることが多い。
その代表的な曲がこれだ。

鉦の音を聞くと、私の胸は痺れ、涙が出てくる。
鉦と聞こえるのはピアノの高音の連打だとは知っているが、どうしても金属の鉦を打ち鳴らしているように聞こえるのだ。

 16歳で『ダイアナ』を、17歳で『君は我が運命』を自作自演してビルボード荒らしをしたカナダの天才シンガーソングライター、ポール・アンカが、1959年18歳のときに、この曲を引っさげてエド・サリバンショーに出演したことは有名。

翌年には、『ロンリー・ボーイ』を大ヒットさせている。
彼には『マイ・ホーム・タウン』や『パピー・ラブ』等名曲が多いが、鉦の音が顕著なのはこの曲を筆頭とする。最初から最後まで連打している。

だから何? ただ涙が出てくるのだ。

もちろんポール・アンカの声がハスキーでなければ涙は出てこない。
小学校高学年から中学校にかけて、60年代ポップスに触れることができたということは、なんという幸運だったろう。
最高の情操教育を施された思いである。