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《ロザンナ(1991) Love Always》

 

 夫のヒデが死んで、生き残った妻のロザンナが歌った鎮魂歌。歌というより、身をよじる叫び。工夫のないストレート唱法。数百回聴いた。そのつど肌に粟を立てた。思い出に生きるロザンナの決意に胸を刺された。
よそ目にも、ヒデは好感の持てる男だった。作曲家としても能力が高く、小柳ルミ子に名曲『星の砂』を提供している。彼女の最高傑作だ。
 死んだ男を思いつづける女のいることは、人生の見逃せない景勝だ。逆は芸術の景勝になる