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《高山 厳(1993) 『貴方のことだけ』》

 

 この曲と、『渡良瀬橋』のカバー以外は、全体が黄土色の雰囲気で、聴きどころのない歌手。音源もちゃらちゃらして聴きづらいが、このメロディだけは絶品。百回は聴いた。人にもよく聴かせたが、だれも心を打たれなかった。人は歌詞第一のようだ。日本の流行歌を外国のポップスのように聴かないのである。

音楽はメロディに決まっているではないか。ときとして、歌詞との奇跡的な和合が起こるが、それはあくまでも奇跡にすぎない。メロディの神がかりなものが名曲なのである。唱歌にも名曲は多い。『野菊』、『みかんの花咲く丘』、等々、子供は歌詞などどうでもよいと思っていたはずだ。だからこそ、幼いころのメロディが頭に残っているのである。






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